データ活用システム 失敗の巻
本日は予定を変更して、この内容にしたいと思います。
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順風満帆にデータ活用の仕組みが構築、展開できたように思われるかもしれませんが、実際に失敗もありました。
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その代表的なものがEssbaseという多次元データベースの導入です。確か1998年くらいに日本でも販売が始まった、データベースとExcelが連携して動くシステムでした。
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初めてデモンストレーションを見た時に、まさにこれだ!と感動したことを覚えています。
何しろアプリケーションの開発なしに、Excel上でドリルダウンや視点の変更が自由にできるものでした。これを使えば、データベース構築だけでアプリ側の開発はほとんど必要なくなると感じました。ただ、コストが2000万円と高額で少し悩みましたが、上層部を説得し、導入する事になりました。
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導入してから、このEssbaseというデータベースの運用には想像以上の負荷がかかる事がわかりました。通常のRDBであれば、ほぼ無制限にデータが投入できますが、Essbaseは膨大なデータ処理には向いていません。日々増える品番や得意先などを予めEssbaseに登録しておく必要があり、ある程度サマリーしたような経営者向けのコックピット等には良いのかもしれませんが、現場の営業、製造の担当者向けではない事が導入後わかりました。
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大きな投資をしていただきましたが、経理部門など用途が限られ、とても投資にみあう回収には程遠い結果となりました。
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やはり、見た目だけで判断してはいけない事、技術面だけでなく運用面も含めてツールは選定する事。を身をもって学ぶ事となりました。
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現在、EssbaseはOracle社に買収され、Hyperion EPMという名称で販売されていると思います。RDBの代わりになるものではなく、会計ERPの管理ツールとして展開されている様です。
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明日は、製造部門へのデータ活用展開のお話の予定です。
2025年10月22日

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