6.ERPの導入 その2
先週は1週間お休みを頂きました。先々週に続きERP導入のお話になります。
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2週間に渡り、レガシーシステムからの脱却について、ERPで難しい事はERPの外側に独自のシステム(外部システム)を構築する事をお勧めしてきました。
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レガシーシステムを外部システムでスリム化し、最後にERPへの切替を行うわけですが、これは一大イベントになるとか思います。ERPの機能テスト、データ移行の精度検証やマスターの整備など様々な工程をへて移行の日程を決める事になると思います。
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外部システムにおいても、外部システムからERPにデータを入れる方の仕組みはERPと同時にスタートする必要があるでしょうからこの検証も必要です。
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ここからが本題なのですが、いくらテストをしても100%OKと自信が持てるでしょうか?
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機能はテストしていても、本番環境の大量データを処理する事で様々な問題がでる可能性もあります。
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100%の自信がない限りは私は順次導入をお勧めします。
順次導入というのは全ての領域を一斉に切り替えるのではなく、会計→営業→製造など領域毎に順次切り替えていく方法です。製造拠点が複数ある場合は、更に工場毎に切り替える又は製品群毎に順次切り替える事で、失敗のリスクを最小限に抑える方法です。
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特に複数の拠点・工場を一斉に切り替える事はトラブルが全社の機能をストップさせるリスクをしっかりと経営層に説明したうえで了承をもらう必要があるはずです。
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新しい業務手順、新しいERPシステム、新しい外部システム、トラブルや問い合わせが発生し、限られたIT要員でサポート、対応しなければなりません。主要な拠点に要員を配置したとしても、想定していない問題が発生する事もあります。
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会社として、生産や出荷ができない日が何日も続く事はビジネスに大きな打撃を与えます。
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切替の方法は、経営層の方々ともよく相談し、納得いただいた上で進められる事を強くお勧めします。
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あるメーカーの経営者の方が「うちは現場力があるから、問題が発生しても対応できる。」と言われ一斉切替をされ、数週間業務が停止(一部手書き伝票処理)したとお聞きした事があります。
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一斉切替は経営者の決断事項ですが、やはりITとして責任が無いとは言えません。
経営者はリスクには非常に敏感です。場合によっては客先の製造ラインを止めてしまう事にもなりかねません。切替方法については充分検討され、経営層にも了解を得るようにしましょう。
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今日はERPシステムへの切替方法についてお話させて頂きました。
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2025年8月18日
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