ERPは夢のシステム? (1/2)
皆さん、ERPシステムについてどの程度理解されているでしょうか?
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特にSAPやOracleERPに代表されるグローバルERPの導入が各社で進んでいると思いますが、私はERPを正しく理解しないと導入プロジェクトそのものが破綻したり延長に延長を重ねる経験を見てきました。
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ERP自体に失敗の責任はなく、厄介なのは導入コンサルタントの説明や導入方法にあると思っています。特に注意したいのは、「ERPには全世界数千社導入からのベストプラクティスの機能が盛り込まれている」という説明です。 ベストプラクティスという曖昧な言葉をERPには様々な会社で使える豊富な機能が準備されていると理解してしまうと大きな間違いです。
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私は、グローバルERPシステムを国内外の子会社に導入してきましたが、ERPにはスタンダードプラクティスしかない。事を知りました。つまり、どの会社でも使えるような標準的な機能しか提供されていません。なのにそれらのERPを自社のやり方に合わせようとするとすぐにアドオンやカスタマイズという御社特有の機能追加となってしまいます。
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そうするとすぐに数百、数千を超える追加開発が必要になり、その開発だけで膨大な時間とコストをかける事になってしまうのです。
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では、なぜ経営者の皆さんはERPを導入したがるのでしょうか?
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各社様々な理由はあると思いますが、一言で言えば、「顧客からの信用を得る事」だと思っています。つまり自社開発してきたシステムでは容易に不正処理が可能で、企業決算さえも信頼できないというリスクをもっていると社外からは見られるのです。特に海外で商売をする場合、これは非常に重要な要素でシステムが取引の前提条件になる事もあります。
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ERPはある意味ブラックボックスで、社内IT部門で変更はできません。それがよいのです。
つまり、ルールに従いデータを入力すれば、必ず正しく処理され決算がされるのです。
これだけです。
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つまり、入力されたデータの処理に価値があるのであって、表面上の使い勝手や各社固有の機能追加にはグローバルERPの価値は無いのです。
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残念ながら日本人は、表面上の使い勝手の悪さや機能の少なさの方に目が行きがちで膨大なアドオンやカスタマイズを追加してしまうのです。結果苦労してERPを導入した後も、ERPのバージョンアップ毎に莫大なメンテナンス費用と時間を費やす事になってしまうのです。
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ではどうすれば、よいのでしょうか。
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続きは明日のブログで。。。
2025年5月8日
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