2.ERPだけで全てをやろうとしない
昨日はERP導入を決める事というお話をしましたが、今日のお話が一番大事かもしれません。
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ERPシステムはとてつもなく高額な故、ほとんどの人は現状のレガシーシステムでできていた事かそれ以上の事をERP上で実現可能だと考えてしまいます。
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それは大きな間違いです。ERPは会計システムを中心にした機能が中心で、それ以外と言えば、在庫管理ができる程度の機能しかないと考えてください。
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販売管理や工程管理、生産計画など管理や計画と名の付くものはほとんどERPには機能はありません。
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なぜなら、それらは各社管理方法がまちまちで、それらに合致する機能をERPで持つことはERP会社にとって、非常に非効率な事なのです。導入の際、ERPコンサルタント会社がERP導入をベストプラクティスと表現し、何でもできると誤解される方がおられますが、私はスタンダードプラクティスでしかなく、必要最低限の事しかできないと思っています。
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では、それらの機能はどうするか。という事になりますが、答えは機能毎にERPの外側にシステムを構築する方法を強くお勧めします。ERP内にカスタマイズやアドオンする方法もありますが、ERPの開発は非常に高額で融通の利くものはつくれません。
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逆にどのERPシステムも外部システムとのデータのやり取りをする口(インターフェース)をもっており、外部システムとデータをバッチ伝送(一部リアルタイムも)する事を可能としています。
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やり取りするためのインターフェースのプログラムの作成は必要ですが、それさえ作れば外部システム側で柔軟なシステムが構築できます。
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考えてもみてください。レガシーシステムはそれなりに各社の強みとなる固有のものを持っているはずです。それらを全て捨てる事ができるのであれば問題ありませんが、捨てる事で各社の強みを失ってしまい、他社との差別化ができなくなり、業務では他社を追い越す事は出来なくなります。各社が全て1本のERPの線路を走るだけで、先行他社を追い越す事はできなくなるのです。
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ERP+外部システムの構成を前提にあるべきシステムの構成を考えられる事を強くお勧めします。というか、この方法しかERP導入の解はありません。
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明日は、もう少し具体的に外部システムのお話をしたいと思います。
2025年7月30日
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